Q.08年9月のリーマンショックに端を発した世界同時不況。それに続く最近の菅財務相のデフレ発言。そんな流れの中で、ゴルフ会員権もさぞ翻弄されているのでしょうね。
A.ご存じの通り2004年には、一度底を回復しています。それは06年迄続いたのですが、その後サブプライムローン問題の発生を受け、二番底に突入。それは7、8、9年と続きました。
ですが09年に大底を打ったことで、この年明けから上向き加減です。
Q.具体的には?
A.2010年1月。0.1%
ながら会員権相場はプラスに
転じ、回復の兆しを見せてい
ます。特に150万円未満と、
1、000万円以上の会員権
に、動きが活発です。
Q.二局化ですか?
A.その通りです。ただ、この
まま推移するとは思えません。
安くなれば市場の反発はありま
すから。
景気がよくなれば、さらに
多少の上向きを期待できます。
悪くても横ばいは、期待して
宜しいと思います。
Q.一安心ですね。
A.吐き出すもの(悪い部分)を出したので、09年より多少の希望は持てるはずです。企業の業績が、ある程度回復してくれれば、特に。
Q.会員権には個人と法人とありますよね。いま動きが活発なのは、どちらですか。
A.概算ですが個人会員権が8割。法人が2割ですか。この様なご時世。法人の動きは活発でありませんが、その分個人が前向きです。
そんな中でも50歳以上の人の、購買意欲は高いですね。
Q.若年層に比べ、中高年者は使える金銭に余裕あるでしょうからね。
A.私は年間6回以上ゴルフをする人には、会員権はプラスになる。その様に奨めています。
Q.面白い観点ですが、6回の具体的な説明を。
A.6回はツキイチに繋がる、熱心なゴルファーと捉えています。
会員になれば、クラブライフを楽しめます。新しいコミュニティに加入することへの模索なのです。そんなことで男性一人でなく、夫婦で同じクラブに入会するケースが増えているのが、最近の傾向です。
Q.ゴルフ場に求められる要求が、変わりつつあると言うことですね。ただ単に18ホール白球を追いかけるだけでなく、それ以上のものを求める時代。
A.そのため、私たちも従来と異なる情報をお渡ししています。
一つは情報をしっかり集めた上で、会員権売買のプロの助言をしっかり得ること。ネット時代ですから、とかく必要な情報はネットで何でも集められる。その様に過信しがち。でも、そこに大きな落とし穴が待ち受けています。その失敗を少しでも少なくして上げることが、私たち会員権業者の役割。
同時にゴルフ場はプレーを楽しむだけでなく、ゴルフを楽しむためのルール、マナーに関しても助言を続けます。
Q.時代は、着実に変化しているんですね。
昔の日本では、先輩が初心の後輩を連れて行くことで、しっかりした躾を憶えさせた。
A.その関係が、昨今殆ど崩壊しています。それに代わるもので、ルールやエチケットの重要さを知る機会を作る。
一方でメンバーが同伴するビジターは、その分多少でもフィーを安くする。そんなこともゴルフ場に働きかけています。
Q.話は前後しますが、先ほどの話を受けると、入会に必要な情報を渡したことに続き、会員権を買った新人会員への情報サポートの継続は必要ですね。
A.おっしゃる通りです。特に日本には「入れて遣る」との姿勢を崩さぬ、古い体質のクラブが多数あります。まずこれを打破することですね。
Q.私、海外で幾つかのクラブに加わっています。メンバーからスタッフ迄、いつ行っても「ミスター石川、ウエルカムバック」と大歓迎してくれます。
A.ゲストを同伴したメンバーが、誇りを持てるクラブ。そのためには、もっとシステム的に開放することは急務です。
Q.世の東西を問わず、クラブが抱える問題の一つに世代のギャップがあります。日本の場合はどうなのですか。
A.ありますね。目立つのが「若い者は、我々の話を聞かない」ですか。若いメンバーに、一部では嫌気がさしていることです。
そうでなくベテランのメンバーは、もっと積極的に若い新人メンバーと拘わってゆくことだと思うのです。そのためにはクラブとして、それらベテラン会員に、何らか名誉のポジションを与えること。それで彼らも遠慮なく行動がとれます。
Q.本来ゴルフはFather(父)son(息子)ゲーム。北米やスコットランドで、初めてコースへ連れ出すのは父親ですし、そこで他のメンバーやゴルファーに迷惑を掛けないルールを教える。ですから年齢の違いを超え、楽しめるはずですからね。
A.他にもアイディアはあります。海外との交流。それも西欧とだけでなくアジアとも。いま多くの面で中国と韓国などは、日本にとって大切な国です。そんな海外の人々を観光地やショッピングエリアだけでなく、ゴルフ場でも歓迎する。
日本側も、商社勤務などで海外経験者は多いわけですから、受け入れはスムーズにゆくはずです。
その先に私が描くもの。それはゴルフクラブをロータリークラブのように活用することなのです。アジアの人々がゴルフで交流。それも国際的なクラブとして継続的な関係を保てれば、それは相互理解。さらには経済外交での好結果にも結び付くはずですからね。
Q.素晴らしい将来絵図ですね。
話を会員権に戻します。この一月0.1パーセントとは言え取引がプラスに転じました。その会員権は依然として預託金制度が主流ですよね。
A.おっしゃる通り95%は預託金システムです。ただし株主会員への移行は徐々に進んでいます。おそらく、この先5年以内に日本の会員権システムは、新しい時代へ大きなステップを踏み出すずです。
Q.桜ゴルフさんは、この2月創業40周年を迎えています。会員権業界のリーダー佐川代表ならではの、鋭い先読みですね。
A.最盛期、年間売り上げが300億円を超えたこともありました。経済全体が縮小したことで、いま同じことは不可能です。そんな時代だけに、今は顧客一人ひとりへの血の通ったコンサルタント業務が、大きな任務になっています。
Q.一人でも多くがゴルフを楽しむ。佐川さんの役割は、そのための演出者でしょうからね